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山内知也教授と金崎真聡准教授らの固体飛跡検出器についての研究成果が専門誌”Radiation Measurements”に掲載されました
山内知也教授と金崎真聡准教授らの固体飛跡検出器についての研究成果が、放射線計測学の国際専門誌”Radiation Measurements”に発表されました。
タイトルは”Isolated radiation damage created along un-etchable tracks in PADC consists of two hydroxyl groups(PADC中のエッチピッチを生まない潜在飛跡に沿って形成される2つの水酸基からなる孤立した放射線損傷)”です。
https://doi.org/10.1016/j.radmeas.2025.107491
PADCは透明なポリカーボネート系熱硬化性樹脂で高い検出感度を有するエッチング型飛跡検出器です。陽子や重イオンを照射するとその通り道にナノサイズの損傷が生まれ、エッチングすると光学顕微鏡下で観察できるエッチピットが生まれます。この研究はエッチピットを生まない損傷構造を解明したもので、より高い検出感度を持つ検出器開発に不可欠な知見を与えています。
山内教授らは長らくストラスブール大学や量子科学技術研究開発機構QST放射線医学研究所との共同研究を行なっていますが、この研究はQST高崎量子技術基盤研究所との共同研究であり、東京大学大学開放研究室の支援を受けています。QST高崎で行われている放射性医薬品生成の技術が活用されました。
山内教授によると、論文を書き始めたのが5月14日。掲載が7月16日なので、2ヶ月と2日を要しました。これは同教授の最速記録だそうです。