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お知らせ

福岡名誉教授がエルゼビア社から「ねじの力学」を出版しました

Last Update 2022.11.07


ボルト、ナットに代表されるねじは、機械構造物、自動車、船舶、精密機械、電子機器をはじめ、さまざまな締結部に使用されているもっとも使用頻度の高い“締結要素”である。ねじが現在の形状になったのは300年以上前であり、その後1841年にイギリスの技術者ウイットウォースが初めてねじの規格を提案した。現在使用されているねじは、ねじ山の角度がウイットウォースねじの55°から60°に変わった点を除けば、大きな変化はない。一方、ねじ締結部に作用する荷重は増加の一途をたどっており、そのことがしばしばマスコミで報道されるねじの破損による大事故につながっている。

福岡名誉教授は、1.規定の軸力でねじを締結する、2.ねじのゆるみ、3.ねじの疲労破壊を“ねじの三大難問”と位置づけ、以上の問題に対応するための知識と情報の提供を目的として、今回エルゼビア社より以下の専門書を出版した(2022年11月1日)。


The Mechanics of Threaded Fasteners and Bolted Joints for Engineering and Design

(384ページ、US$200)

書影


本書では、三大難問のメカニズムと対応策を、締結部の設計と施工、安全管理に携わる技術者向けに詳細に解説している。主要な部分は同名誉教授の長年にわたる数値解析と実験により得られた研究成果によるものであり、実際に取り組んだトラブルシューティングの結果も解説されている点から、従来のねじに関する技術書と一線を画している。

本書のベースとなった「技術者のためのねじの力学 〜材料力学と数値解析で解き明かす」(コロナ社、2015年)は、すでに国内の多くの技術者(販売数2000冊超)に読まれており、今回の出版により、関連分野の業務に従事する海外の技術者に対して、広く締結部の安全管理に関する知識と情報を提供することが期待される。