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お知らせ

海事博物館企画展2016『神戸における海技者教育100年の歩み(前編)』

Last Update 2016.07.06


  1. 企画展開幕式:平成28年 7月15日(金) 午前10時30分
  2. 場            所:深江キャンパス海事博物館入口玄関ホール(講堂1階)
    −式次第−
    海事博物館長あいさつ
    海事科学研究科長あいさつ
    開幕
  3. 会            期: 7月15日(金)〜10月31日(月)

◎サテライト巡回展:
平成28年11月21日(月)〜平成29年1月25日(水)於 神戸大学百年記念館
平成29年 3月 6日(月)〜 4月 6日(木)於 神戸大学社会科学系図書館


海事博物館企画展2016ポスター(pdf_icon 1.5MB)


《企画展2016開催趣旨》
−企画展2016館長ごあいさつより−


嘉永6(1853)年6月、ペリー艦隊の浦賀来航を契機に江戸幕府は欧米諸国との歴然たる格差に直面し、西洋型船の建造技術導入など、我が国海運の近代化に向けて一大転換を図ります。
   慶応3(1867)年5月に兵庫開港の勅許が下り同年12月には兵庫が開港、翌、慶応4(1868)年9月8日に元号が明治へと改まります。維新以来、大型商船の需要が急激に高まる中、西洋型商船を操ることができる海技者(商船士官)は皆無に近かったことから高級船員のほとんどを外国人が占め、日本人はその下で働く時代が続きます。日本の近代化がすさまじい勢いで推し進められる中、明治40(1907)年9月に神戸の築港が始まり、大正3(1914)年には第一次世界大戦が勃発、連合国側の日本は造船や海運部門で大躍進を遂げますが、急増する邦船船腹量に対応する商船士官の不足を危惧します。このような時代背景から神戸における海技者教育がいよいよ幕を開け本格化します。
   神戸大学の深江キャンパスは大正6(1917)年9月に設立が認可された私立川崎商船学校に端を発します。川崎造船所の創立者である川崎正藏翁は『四面環海の我が国は海運の発展によって台頭する』と唱え、その遺志を継いだ嗣子の川崎芳太郎氏により兵庫県武庫郡本庄村深江の浜に商船学校が誕生し、翌大正7(1918)年3月には第1期生50人(航海科30人・機関科20人)が入学します。その2年後の大正9(1920)年8月には国に移管され、我が国2番目の官立商船学校として神戸高等商船学校が発足します。同年11月には第1期生(航海科29人・機関科30人)が入学して修業年限5年半の高級船員育成のための海技者(士官)教育が始まります。さらに、3年後の大正12(1923)年12月9日に練習船進徳丸(2,518総トン)が進水し、翌年2月25日に竣工、5月26日には処女航海へと神戸を出帆して米国のSan PedroとHonoluluに寄港、12,350海里を走破して10月11日神戸に帰港しています。
   爾来、大正14(1925)年に東京商船学校から改称の東京高等商船学校と肩を並べ、資源に乏しい日本の生命線を維持するために共に数多くの商船士官を輩出して国の発展に貢献してきました。
   平成29(2017)年には深江の地で始まった海技者教育が100年を迎えますことから、今年と来年にわたり2期連続の企画展を開催します。平成28年はその前編として川崎商船学校から神戸高等商船学校の、29年の後編では神戸商船大学から神戸大学大学院海事科学研究科・海事科学部に至る海技者教育のあゆみを時代背景や多数の資料などで紹介します。
   現在、国際貿易港として日本を代表する港町『神戸』は平成29(2017)年に開港150年を迎えます。
   近代から現代にかけての両者のあゆみもあわせてご覧ください。

海事博物館長 矢野吉治