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研究活動

受賞・新聞記事など

福岡名誉教授、野村准教授の研究が学会論文賞を受賞しました

昨年度、日本マリンエンジニアリング学会に掲載された論文「せん断荷重を受けるボルト締結体のゆるみに及ぼす摩擦係数と幾何学因子の影響」が、本年度の同学会の論文賞を受賞しました。当時大学院生だった安井大智さん(現在(株)村田製作所勤務)との共同受賞です。ねじのゆるみには、ナットやボルトが回転してゆるむ「回転ゆるみ」と、面のへたり等によって軸力が低下する「非回転ゆるみ」があり、受賞した論文は回転ゆるみを対象としています。回転ゆるみの問題は、機械構造物にとって致命的なトラブルや事故を引き起こす原因となるため、これまで多くの研究者が取り組んできました。しかし、ゆるみが極めて複雑な現象であるため、このような状態になるとゆるみやすいなど、大部分の研究が定性的評価にとどまっていました。一方今回発表された研究は、有限要素解析を適用して、摩擦係数についてはねじ面とナット座面の相互関係も含めてその影響を定量的に明らかにしており、締め付け部分の形状、ねじのピッチの影響についても体系的に明らかにしています。さらに、力学的な考察に基づいて、特殊なねじ部品を用いることなしにゆるみの発生を回避できる方法も提案しています。以上の点が評価されて今回の受賞につながりました。以下に示した図は解析に使用したコンピュータモデルで、複雑なねじ山のらせん形状が完全に再現されています。


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論文名:せん断荷重を受けるボルト締結体のゆるみに及ぼす摩擦係数と幾何学因子の影響

著者名:福岡俊道、野村昌孝、安井大智

掲載誌:日本マリンエンジニアリング学会誌 第55巻 第5号(2020年) p.636-643