専門は国際法です。国際社会では、国家間の経済的な格差からさまざまな問題が生じてきました。このような格差の視点から海事社会をみていくと、海賊、テロ事件など船舶の安全な運航を脅かす問題の根底にも経済的な格差が原因の一つであることがわかります。
では、それに対して法はどのように対処しているのでしょうか。海賊、テロなどに適用される法はどのようなものなのか、それはどのような状況に対して制定されたのか、現代の国際社会にあってその法を適用することによって新たに生じている問題は何か、について検討をおこなっています。
また国際社会の平和と安全を維持するためには、各国家の社会的経済的安定が不可欠です。特に発展途上国では、国際社会の援助なしにそうした国家の安定を実現できない国が多くあります。こうした国際社会の援助の中でも紛争後の国家の安定のために行われているのが平和構築活動です。国際連合の実践の中で編み出された平和構築活動はどのような原則に基づいているのか、その原則はどのようにしてできてきたのか、この活動は具体的にどのように行われているのか、それは国際社会の平和と安全の観点からどのように評価されるのかについても考察しています。