エジプシャン・バザール(ムスル・チャルシュ) Misir Carsisi
イエニ・ジャミイ(“新しいモスク”という意味)の施設の一部の建物を、その維持費集めを目的に1660年に市場に改装したという歴史のあるバザール。
オスマン帝国時代、エジプトからイスタンブールに持ち運ばれた香辛料(スパイス)の市がたったことからこの名でよばれている。トルコ語のムスル・チャルシュとは「エジプトの市場」という意味である。6か所に出入口が設けられたL字形の建物の屋根はドームで覆われ、内部にある約80店は、主に香辛料や薬草、他には種類豊富なチーズ、ジャム類、海綿、ナッツ類を取り扱っている。プンと鼻をつく香辛料の香りが独特のエジプシャン・バザールは、もう一つの有名なバザール“グランドバザール”に比べてより庶民的、オリエンタルな雰囲気に包まれ、周囲には植物やペットを扱う店、木陰で一息つくのにうってつけのカフェ、行商人の屋台など、興味を引かれる店、物、人が溢れている。バザールの裏手に広がるタフタカレ地区は主に行商人が露店販売をしている一帯で、オスマン帝国時代から続く精力剤に始まり輸入品の電気製品、香水、文房具、衣類などが売られ、小さいけど庶民的で楽しい市場。オリーブ、ナッツ類を詰めたり、ペットショップ通りで動物を見たり。「からすみ・キャビアは安いよ!水より安いよ!」〜「なにさがしているつもりですか?」とちょっとヘンな日本語が飛び交う。ちなみにこのバザールから続く問屋街沿いに、坂道を登っていくとグランドバザールにたどり着く。グランドバザールよりも庶民的なので、買い物しやすい。
雪の舞うエジプシャンバザール出入口 スパイス・スパイス・スパイスです!