アヤソフィア
Ayasofya
トプカプ宮殿の前にそびえる威風堂々な建築物。ローマからビザンティウムヘ遷都した皇帝コンスタンティヌス二世が、ギリシア聖数の総本山として建造を命じ、360年にキリスト教の聖堂として建設され、何度かの焼失と再建の後、ビザンチン帝国の全盛期に皇帝となったユスティニアヌス1世が自らの威信をかけ、537年、ついにビザンチン建築の最高峰と称され、直径30mのドームを持つこの大聖堂を建立。赤茶けた外壁、四隅に立つミナーレ(尖塔)、その中央に大ドームがのる威風堂々たる聖堂。ユネスコの世界遺産に登録されたイスタンブールにあつて、まさにこの街の歴史を象徴する建物がアヤソフィアである。歴代の皇帝はここで戴冠式を行っている。そして、1453年、オスマン.トルコのメフメット二世がコンスタンティノープルを征服すると、大聖堂はイスラム教のモスクに改修される。堂内を飾ったモザイクは漆喰で塗り込められ、メッカの方角を示すミフラーブが据えられ、さらに4本のミナーレが加えられた。現在は、初代大統領アタチュルクによって博物館となっている。キリスト教時代のモザイク画は漆喰で塗り込められたが、1931年(昭和6年)に発見され、漆喰の下からよみがえったモザイクは素晴らしく、特に、2階のギャラリーにあってビザンティン芸術の最高傑作といわれるディーシス(請願)や半円ドームに描かれた聖母子に注目したい。

(PHOTO By Capt. T.HIROHAMA)